2008/04/05

旅のはなし7−ポルトフィーノ


日本ならば、伊豆や熱海、と云ったところなのでしょうか、イタリアにも海に面したイタリア人向けの観光地がポルトフィーノでした。

ガイドブックには名だたる著名人が住んで一気に有名になった土地、と書いてありました。実際に厳密なセキュリティーがなされているであろう邸宅がたくさんあります。この建物からの眺めは絶景だろうな、そう思わせるすばらしいロケーションの家ばかり。

私たちは,私の地図の読めなさと、相棒様の思い違いでサンタ・マルガリータ・リグレという駅から歩いてポルトフィーノと反対の方向へ、歩いていってしまいました。ショックも大きかったのですが、私たちがポルトフィーノだと勘違いをしたその町も、かわいらしかったのでなんとかがまん。食事を食べてから元着た道をバスで戻り、さらに歩いて今度こそポルトフィーノへたどり着いたのでした。

徒歩で動いたのには理由がありました。泊まっていたホテルの人が、どうしたってポルトフィーノまでは歩いて往ったほうがいい、というのです(彼はケント・デリカットのような分厚い眼鏡をかけている親切な人で、もう50代のようでしたが水泳が得意とのこと)。地図でもほんの数キロだったので、がんばってみることにしたのでした。

海の色が違う、本当に青い色の美しい海でした。私には初めての地中海です。

足先だけ触れた地中海の水はまだ、冷たかったのでした。

半島の東側を徒歩で横断した形で、私たちはポルトフィーノへ往きました。山が近いので、道も狭くて坂道もいくらか厳しい道を往ったところにやっと見えるポルトフィーノは観光地にふさわしい、明るくて、少し嘘っぽい、舞台のような小さな港町でした。町自体はものの30分もあれば把握できてしまうであろう小さなところで、じいさまばあさまもいっぱいいました。きっと、おばあちゃんがパック旅行で伊豆に往くのと同じような感覚で、この町に来ている人なのではないのかしら。

 道中で十分に地中海を楽しんだので、少しの滞在ですぐに水上バスに乗り、サンタ・マルガリータ・リグレに帰るのでした。ほんの少しですが、地中海クルーズ、呆れるほど、きれいでした。

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