2013/12/10

美しいものへの、執着


何かを作ったりする時間など
とうになくなってしまって
それが自分にとってどういう事態なのか
自分でもよくわからないまま
いたずらに時間が過ぎていくのを
そういう時季なのかな、と、思ったりする

でも、時々何かを見て
こんなものが世の中にはあったのか、と思ったり
そういえば昔、好きだったな、と思い返してみたりして
きれいだ、と思う感覚を
ひさしぶりに楽しむことができることも、ある

家は寒いので
カフェでカフェオレをすすりながら
買った画材道具を広げて
絵を描いたりする
仕事をしなくてはいけないのだけれど
どうしても気が乗らないとき、とか

制作はもう、できない心持ちだけれども
絵を描くぐらいは、いいだろう


マニュキュアを使ったりしても
誰も文句を云わない
いいところだ

青いマニュキュアをひたすら乗せて
乾いた後に
細かい模様をひたすら描いて
とにかく精進、とでもいうように
無心で線を伸ばしていく

どうも、過程が大事だったのだ、ということに気づく
描きながら
全然関係のないことを考えたり
線が伸びてゆくこと、それ自体を楽しんだり
色そのものがきれいだ、とか
そんな、どうでもいいことを
あらためて知ったりする

帰りがけにお店のおじさんに
フヌーンだね、と云われて
そんな単語もあったな、と思い出す

随分遠いところに来たものだ

さっぱり出来はよくなくても
色それ自体が美しいことは
いまだに、分かる

それだけでも、満足する