2011/10/29

アンマンマラソン


アンマンマラソンにお手伝いに往ってきた
南部の街、カラクの障害者施設から参加しにいらした方の伴走をした


よく晴れて、でも空気の冷たい
マラソンにはちょうどいい天気だった


一緒に10キロを歩いたアスマさんは
私の下手なアラビア語があまりわからなかった
彼女もあまり話さない人だ
顔合わせをした時
とても不安な顔をしていた


施設のボランティアは
手を握っていれば安心すると思う、と云う
だから、ずっと手を握って歩いていた


不安な表情はずっと消えない
途中、彼女は右脇腹を押さえて
座り込んでしまう
おなかが痛いのかな
何か云っているけれどわからなくて
困り果てた


何度か休憩をして
おんぶをしようと思ったけれど
うまく往かなくて諦めた
だましだまし、歩く




ゴールはアンマンのダウンタウンにある
ローマ劇場だった


ローマ劇場が見えた頃に
一緒に伴走をしてくださっていた方が
腹が減った、とシュワルマを買いにいった


食べますか?
大きく彼女はうなづく




シュワルマをうれしそうに食べる彼女を見ながら
ずっとおなかが空いていたのかもしれない、と
何だか心配したのがおかしくて
随分笑った


彼女が食べていた時の他は
ずっと手を握っていたので
手にだけはたくさん汗をかいた


ずっと手をつないでいたなんて
何とも素敵だった、と、思った

2011/10/21

あったかそうであること

この2、3日
空気がすっかり冷たくなって
昼までも日の当たらない室内は冷えきっていた


できれば家でゆっくりしたい休日だったけれど
今週を逃したらしばらく往けない予定に気づき
慌ててスークへ買い物に往く


服や靴ばかりの青空市場が
金曜日だけ、開かれている
古着ばかりの市場


こちらの衣類の値段は
日本とほとんど変わらない
十分な冬服を手に入れるのに
正規の値段では、とても
買いそろえられない


コートが欲しいな
ブーツも欲しいな
靴下も欲しいな
セーターも欲しいな


古着なのだ
だから、まともなものを探すのには
それなりの努力と時間が必要だった
早く家に帰りたい
でも、もう少し探してみる


究極的に、冬服というものは
見た目が大切だと、思っている
それが、あったかかろうが、なかろうが
あったかそうであることが
私にとって重要だ


だから
あったかそうな色のコートを買う
あったかそうなだけで
実はそんなにあったかくは、ない
質の低いウールのけばけばコート


でも、それが目に入るだけで
きっと冬が越せると、安心する

2011/10/12

秋の味覚



仕事場からの帰り道
建物のすぐ外の屋台の果物屋さんから
柿をいただく
種がなくてよく熟れた
とてもおいしい柿だった


バスを降りていつもの坂道を登る
ここでもまた、果物が並ぶ



一つだけじゃ物足りない
2JDで柿を10個買って


ついつい買って、また買って
果物だらけになった


最近仕事場では事件だらけ
でも、とりあえず家に戻って
果物を並べて、満足する


単純に幸せだ

2011/10/07

夜中にまた、眼を醒ます

たぶん、なぜだかうまく眠れなくて
頭のどこかが冴えきっていたからだろう


目が醒める 4:17
今日は休みなのに


まだアザーンは鳴らない
アザーンまでには1時間近くある


遊びにきた人がへたくそだ、と云っていたアザーン




仕方がないので頭の中に流れる曲を検索して
動画で見ていた


白夜の空の様子
いつまでも揚がらない太陽
緑の丘陵地帯や凍った川
針葉樹の林


そういえば、と、思い出す
仕事先へ往く途中
急な岩場に男が一人座っていた
ぽつんと黒い服を着て


なんでそんなところにいるんだろう、と思った


よく見たら、彼の周りにはたくさんの羊が居た


羊の色は岩場の白茶褐色と同じ色で
動いていなかったら
きっと、分からなかった


なんて、乾いて白い土地にいるんだろう
杉の木の葉も、強い風に舞った砂がついて、白っぽい
きついピンク色のビニール袋だって
風で飛ばされていつの間にか
どことなく白っぽい


眼を閉じて
公園にあった、たくさんの大きな木を想像する
たくさんの濡れた葉やからまる蔦




いつの間にか、またうつらうつらして
へたくそなアザーンが鳴る


でも、このアザーンに慣れてしまった
音が大きすぎて
どうしたって聴いてしまうのだから


もう一度、濡れた木々と
それから、昔よく往った植物園の
冬の熱帯雨林の温室を
思い出しながら、眠る