2008/08/27

沼津のはなしも


ずっと知床によって追いやられていた沼津のはなし。


本題は、続きのお店からだったのですが、、、。
Baird breweryが作ったビールが飲める、直営のお店、
taproomに着いたところまでかきましたが、
詳細は除いて、とりあえず一番大切なところを。
お店の料理もおいしくて大感激だったのですが、
その後の、工場見学が興味深かった。


ビールの生成方法について、
今、私が順を追ってきちんと説明はできません。
でも、その場で説明をしてくださったブライアンさんが、
きれいな、そして少し早口な日本語で、
とてもとても、熱心に工場内の設備やビール作りにかける思いについて、
お話してくださりました。


それを聞きながら、当然なのでしょうが、
ブライアンさんが本当にビールが好きだということと、
いいと思う、やってみたいと思うビールに対して
どこまでも情熱を持っている、ということを
ひしひしと感じました。

もう少し違う言葉もあるのかもしれませんが

時間のたった今思い出すのは
外に比べればいくらか涼しいけれど
決して快適というほどの温度ではない工場に
底知れないパワーがあったということです。


いろいろな入れ物や機械や
段階や時間を経て、
もともとあまりお酒は飲めない私にとって、
少し、いつもよりも高くて、
特別な気分にさせてくれるビールたちがここから生まれているのか。

工場見学の醍醐味を、大人にして初めて知ったのでした。

2008/08/26

鯨のはなし―鯨の顔




朝、屋根の上を飛び交うウミネコの声で目が覚めました。
残念ながら天気は曇り。
今にも降りだしそうな重い雲に覆われていました。
少し散歩をして、いざ、受付へ。
8時半から受付、とのことでした。


往ってみると受付は、小さなパン屋さんでした。
でも、パン屋さんの壁には大きな鯨のポスター。
急に楽しくなってきて、意気揚々と港へ向いました。

船は2階建ての小型船で、
一階の船長さんは運転しながら海の様子を解説してくれます。
2階には、パン屋さんで受付をしていた女の人が
双眼鏡をもって、360度常に、見渡しています。

どうも、イルカや鯨を見つけるのはこの女の人らしい、
そう、勝手に決め付けて、その人の後ろ辺りにいました。
まもなく、イシイルカが数頭群れになっている、しっぽと背びれが見えました。

船長のおじさんは云います、
青森あたりでいるかの漁をしていて仲間が獲られるの見ちゃってるから
船が近づくと逃げちゃうんだな。
廉価のベーコンなどに使われる「その他の鯨類」
とは、ほとんどイルカだそうです。
気にして見たこともなかったのですが、驚きました。
イシイルカの柄はシャチのようなのですが、
そんな姿はちらりとも見えず、往ってしまいました。

イルカのほかにも、盗賊カモメなど、海上でしか見られない鳥たちもいました。

鯨をどうやって探すか
マッコウクジラがお目当てだったのですが
マッコウクジラは海中に30分ほど潜り
海面に7,8分息を吸いに揚がってくる、というサイクルで
肺呼吸をしています。
その7,8分を狙うのです。

その女の人(船長さんはハルちゃんと呼んでしました)は
遠くの潮吹きを見つけます。
そして、船長さんにだけ通じる無線で場所を伝えるのです
―11時の方向に2頭―
という感じです。
よく焼けたその女の人がとてもとても、素敵だった。
その日はたくさん鯨を見つけてもらいました。
12,3頭のマッコウクジラを見たかと思います。
潮を見つけるまではエンジンを切ります。
見つけた瞬間に、そこへ向けて全速力で船を走らせる。
船の感じも、なかなか良かった。


クジラが7,8分海面で息を吸う、
そして、最後に深呼吸をして
思いっきり勢いをつけて海底へと潜ってゆくのです。
だから、もぐる直前にしっぽを出して、潜ってゆく、
私たちは、そのしっぽを、見る。
あまり近づくと逃げていってしまうのですが、
それでも、浅く潜水したまま逃げるので
それほど遠くないところでまた、息をします。

そして、一頭、間違えて船の近くに出てきてしまったマッコウがいました。
出てきて、あら、と思ったのか、こちらの様子を伺いました。
女の人が「こっちを向いてる」
と云います。


見てみると本当に、頭がこちらを向いていて、
反るように尾ひれと頭だけを出して、
こちらを見ました。

マッコウクジラの顔を、正面から見ることができました。
クジラと目が合った。
私はそう、勝手に思っています。

その後も何頭かのしっぽを見ました。
最後にまた、イルカの群れを見送り、
港へつきました。

根室沖は海底が低くて深いので、
天気のいいときは、クジラの見える丘、という丘からも、
クジラの潮が見られるそうです。
そう、それから、国後島も、はっきり、見えました。
大きな大きな島でした。

さて、最後に
船を出していた、知床ネイチャークルーズというところの
ページを貼っておきます。
もうそろそろ、ツチクジラのシーズンがやってくるはずです。
ツチクジラがイルカのように飛んでいる写真が、載っています。
必見です。

それから、素敵な女の人と、「いい塩梅だ」が口癖の船長さんに
ぜひ、知床へ、会いに往って下さい。


2008/08/23

鯨のはなし―知床の旅1―


前回大慌てでとにかく鯨のしっぽを載せました。

でも、そこですばらしい人や景色に出会いましたので

そのことをもう少し詳しく。


知床に往った一番の目的は、とにかく鯨とあうことでした。

札幌にいる間に、知床の情報について探していました。

ちょうど低気圧が近づいていて、海が荒れれば船はでない、

そんな状況で、本来の予定よりも2日早い出発になりました。


知床には町が2つあります。

ウトロと羅臼。

ウトロはオホーツク海に面していて、羅臼側は北方領土がすぐ見えます。

旭川から大空町や斜里を通ってまず、ウトロにつきました。

もうその時点で7時半近かった、

それから、知床峠という、なんとも恐ろしい響きの峠を超えて

羅臼へ往きます。

ウトロ側は雲こそ出ていても雨はなかったのですが、

知床半島を縦に通る山並みの向こう側、つまり根室海峡側は

ものすごい霧でした。

だから、峠の頂上辺りからいきなりひどい霧になり、

くだりの坂道をこれっぽっちも先が見えない状況で

進まなくてはなりませんでした。

どこかの話で、あまり霧が深いと、ライトを上げても真っ白になる、

というようなことを読んだことがありましたが、

まさに、そういう状況でした。


時折ライトをあげる、

すると、目の前に立派な角のエゾジカが道のすぐ脇に立っていたり、するのです。


やっと、羅臼に着いたのは8時半。

札幌からドライブだけでも9時間近い、道のりでした。


たった3000円の素泊まり民宿に着くと、

民宿の屋根にウミネコがたくさんいて

海の風を受けながら啼いたり飛んだりしていました。


次の日の朝、鯨の船が出ます。

すぐに寝て、鯨に備えました。

2008/08/16

鯨のしっぽ


沼津は中断

鯨のはなし

ブログのタイトルがこの長々しい
「鯨を推しはかる気分研究所」
なのに、鯨を見たことがありませんでした。
このタイトルのフレーズから、人それぞれ何か
思うところが、きっとある。
私自身もその一人に過ぎませんでした。

実は、それではいけないと思い、
今年の夏、「外房捕鯨」という会社の
ツチクジラの解体を見に往こうとしていました。
何とか日程が合えば、そう思っていたのですが
今年の捕鯨枠を8月の2週目で終えてしまいました。

落胆、の一言。
日本に居る限り、鯨について思う時、
捕鯨のことについて触れずにいることはできません。
だから、なおさら残念でした。

お盆に北海道に往くことになったので、
北海道のガイドブックを買った。
すると、ホエールウォッチングの紹介があります。

日本でホエールウォッチング。というと、
小笠原諸島が有名で、反対に他のところで見られるとは
知りませんでした。

とにかくクルーズのツアーを出している会社に電話をしました。


まずは、私のどうにも古いデジカメで撮った鯨のしっぽを。

2008/08/05

沼津への旅


大人の遠足、などと云うフレーズを聴くと

つい、吉永小百合の清楚な後姿などを思い出して、

ああ、ああいうものか、などと思っていました。


たとえば、花火を見るときに綿菓子を食べながらタバコを吸う、とか

お酒を飲んで、恋人の肩でも抱きながら映画を見るの、とか

何となく、大人の特権、のようなものとは、

いくらかロマンティックなもの、も、私の中には多分に、含まれていたようです。


甘かった。


一番の特権は、子供と同じぐらいはしゃぎながら

朝からお酒を飲むことで、

それは、子供と同じぐらい、というモチベーションがあればあるほど、

特権的になる、ようです。


何の話をしているか、というと、

日曜日に参加させていただいた

「大人の遠足vol6」なるもののこと、で

私が見た、酒飲みの生き様、の話なのです。


ここでは、数回に分けて、知っている人にも知らない人にも、

こんな日曜日があるのだ、という報告、もしくはドキュメンタリーを

お伝えすべく、綴って往きたいと思います。


ちなみに、本編は、主催なさった「フィンラガン」というお店のマスターによる

ブログがあります。

これはあくまで、お酒に弱いのでほとんど飲まなかった私が

素敵に酔っ払った方々への

冷静で、でも温かい、

敬意と畏怖の念と愛情に満ちた視点から書くもの、だと

思っていただきたい。


前置きが長くなりました(でも、いろいろ問題が発生しそうなのでこれぐらい必要なのです)


出発から。


朝7時に集合とのこと。前の晩遅くまでお店にいたので

マスターに電話で起こしていただきました。

7時ぎりぎりに集合場所に着くと

もう先にいらした方が、バスに乗せる荷物を降ろしていました。

バスが予想以上に大きかった。

荷物を乗せようと車内に入ると

うわさの「ラウンジ席」なるものがバスの一番奥にありました。

前方に向ってコの字型にいすが取り付けられていて、

真ん中にテーブルがあるものです。

この時点で私は、絶対にここには座るまい、そう思いました。


あれよあれよという間に、酒瓶が保冷トランクの中に詰め込まれ

いざ出発、


途中何人かを道中で拾い、


時計は7時半、もう、マスターとクイーンはワインを開けていました。

シャンパンも開きました。

ブラザートム風のMM氏がなぜか大量のせんべい配りの交戦を始めています。

女性に優しいS氏は、女性分しかない、お菓子を早速、配っています。

ラウンジではプルトップの音が鳴っています。


いつの間にか、みなさんのコップに酒が入っているのでした。


私は持参した野菜ジュースを飲みつつ、ワインを後ろに送ったり、食べ物を回したりしていました。


8時前に谷田部から高速に乗り、

当然のように守谷のサービスエリアに寄ったことを、

明記しなくてはなりません。


I氏のおいしい豚や鳥を八時半ごろには堪能し、

新たな種類のせんべいが配られ、

ドライフルーツが流れて、

ワインは次々と開いてゆき、

一番前で、マスターの手により開けられたワインは

最後ラウンジで一気に、男気あふれるおにいさん(?おじさん?おっさん?)によって

消費されてゆくのでした。


首都高は比較的空いていましたが、計算ミスをした方々は

もう、トイレはまだかと、繰り返しおっしゃっていました。

自然とそちらの方面の話になり、

朝9時の時点で、どうやって、液体を入れ物に入れるのか、何に入れるのか

を話し合っているのでした。

そこで、ワインの空瓶はどうか、ということになり

いざというときのために、マスターの手中にあるコルクを取ってくる、ということになったのですが、

勘違いをした、よく働かれるK氏は新しくまた、

ワインをマスターからもらってラウンジへと戻ってくるのでした。

ラウンジの方々は、ここぞとばかりに、日ごろの成果を存分に発揮し、

肝臓腎臓膀胱を、フル活用されていました。


海老名でメロンパンを、足柄過ぎのサービスエリアでしっかりトイレへ往き

やっと、東名沼津を下ります。

もうそのころには、服の胸元あたりに

しっかりとワインのしみを作っている方が、何人かいらっしゃいました。

本当は服のシミシリーズの写真を撮りたかったのですが

顰蹙を買う恐れがありましたので、止めにいたしました。

紫、黒、ベージュ、きれいなシミが、何かの勲章のように胸元を飾っていました。


沼津は晴天、湿度もたっぷり。

ベアードブル―イングの向かいの、港に面した駐車場にバスはとまりました。

降りた瞬間に、水分が蒸発してゆくような、とても暑い、お昼前でした。


そして、ベアードブルーイングの経営するお店、タップルームへと

一行は向いました。

階段を登るときに、フィンラガンと同じ、木の香りがしました。