2011/08/10

アンマンでも、同じように




9月から始まる活動まで
今は何もすることがなくて
正直少し、困っている

時間があればしたいことは
結局どこにいても同じよう
ベトナムでも隙あらば
学校の音楽室に往っていたように


音楽に詳しい方から教えていただいて
ピアノの練習所、というところへ
往ってみる


西洋のオケとアラブ音楽のオケを持つ
音楽センターのようなところだった

ラマダン中なので人もまばらで
楽器の音は木琴の他、静かな館内だった


噂では無料で貸してくれる、という話だったけれど
どうも1時間5JDもかかるらしい
5JDは750円ぐらいだから
なかなか気軽には借りられない

そんなのよくないって、思うの
と受付の女の人は云う
日頃から使おうと思うと
1もしくは2JDが限界です
そう云うと
2JDを手渡して
これで練習してください、と云う
驚いてしまった

丁重に断り
責任者の女性のところへお金を払いに往く


正直、お金を取るにはメンテナンスがなさすぎて
鍵盤の重さも音も、あまりよくはなかった

でも、久しぶりに弾いて
少し気分が晴れる
古いKAWAIのピアノだった

素敵な人に会えたし
まあ5JDでも仕方ないかな、と腹をくくる


こちらの楽器も一つ買った
タール、と云う名前の打楽器だ

満月みたいな形が好きなだけで買ってしまう

低くて、皮の張りはいまいちだけど
いろいろな音が出て面白い


アラブ的はリズム感は全くないけれど
動画を見ながら練習してみようと、思う


2011/08/05

新居へ遷る




語学の研修が終わり
引っ越しをする

アンマン市内の北西
スウェーレ、という地域

アンマン市内で一番寒くて
雪の降る場所

昨日の夜は長袖を着ても、寒かった

無駄に広くて
3つのベッドルームと
リビング
謎のだだっ広い空間
そしてキッチン
バスルームも2つ

入った時は廃墟のようで
これはどうしたものかな、と
しばらく途方に暮れてしまった



こちらの住宅はほとんどが
石でできている
だから冬はとんでもなく寒いので
カーペットを敷いている

でも、どうも私には
そのカーペットが虫たちの寝床のようで
恐ろしくて置いておけない

丘の上なので風も強くて
部屋中が砂っぽい


バケツとフロア用洗剤を買って
今までやりたくてできなかったことを
久しぶりにしてみた


床に水を撒いて
スクレーパーで汚れを取ってゆく
べトナムではよくそうやって掃除をしていた
でも私の部屋には排水溝がなくて
やりたくてもできなかった

大学では粘土で汚れた部屋を
よくそうやって掃除した
いやがる人も多かったけれど
どうも、私は気に入っていた

久しぶりの水かき

水不足の夏に不謹慎だけど
水の豊かな国からきてしまったのだから
仕方がない

楽しくてどんどん水を撒く

きれいさっぱりすべての部屋を
水で、水に流してしまった


ほんの少しの洗剤のにおいが気持ちいい

なぜか3つもあるベッドのマットレスも
大家さんにお願いをして
屋上に干した

やっと、今日は、眠れそうだ

2011/08/01

ラマダンが始まる



ラマダンが始まる

朝、どうも車が少ない
語学学校へ往きたいのにタクシーがつかまらない
とても静かな朝だった

語学学校へ往く
明日で語学学校も最後なのに
先生がいらっしゃらない
いつも居るはずの子供たちも居ない
そして、チャイムが鳴る

先生はいらしたが
鍵を探し、部屋を開けるまで
5分ぐらい何も、話さなかった
省エネ対策だ


11時からはいつもの子供たちが来る
でも、子供たちもほとんどがムスリムだから
朝からすっかり疲れている
大変なの、疲れてる、とのこと

大使館からはラマダンに向けての注意文書が送られてくる
ラマダン中、特に2時3時の車が混む時間帯には
運転が荒くなるので
注意すること、とのこと
日没前は特にイライラしているらしい

タクシーに乗っているときに事故に遭っても
被害を少なくできるような体勢で乗るように、とのこと
いったいどんな体勢ならいいのだろう

確かに帰りのタクシーの運転は
ジェットコースターのようだった

食べ物屋はことごとく閉まっている
仕方なく、部屋に帰り、アパートで食事を作る


でも、ムスリムは口を揃えて云うのだ
ラマダンはすばらしい、と


ラマダンの夜は長い
日没後に食事を食べ
その後、外へくり出すようだ
夜中まで店は開いているようだ
3時過ぎにもう一度食べて
早朝、日が昇る前にモスクへ往き
それから、寝る

ラマダン中だけ食べられるお菓子もあるようだ
昼間が禁欲的な分
めくるめく夜が待っているのかもしれない

一体どんな夜になるのか
少しだけ、楽しみだ




2011/07/28

1.2JDの粘土




どんな粘土があるのか知りたくて買った
テラコッタ、と書いた粘土

お世話になる家に
お土産に何か作ろうと思って
触ってみたら、ひどかった

取ったりつけたりが
全然できなくて
思うように粘土が動かない

結局粘土に張り付いて
乾燥具合をずっと観察
やっと、できたのだけど


こんなの、もらっても困るか、、、

小さな頭
手のひらサイズ

2011/07/24

みどりのものもの



こんなに彩りには華のない土地だけれど
八百屋や野菜のコーナーには
本当にいろいろな野菜が
堆く積み上げられている

日本と変わらない、むしろもっと豊富な野菜の種類に
いつも目移りする
大振りのものが多いけれど
味はしっかりしている


こちらで気に入っているのは
パセリのサラダ

日本で目にするような
縮れたパセリではなくて
一見にはパクチーのような
長い茎と柔らかい葉を持ったパセリ

パレスティナ人の方の家に伺ったとき、いただいた


アラビア語では”料理をする”という単語は
火を通すものにしか使うことができない
サラダのように火の入らないものは
”作る”、または”する”という意味の単語を使う

切るだけで火を通さないこのサラダは簡単だ
パセリ一束とトマト、オリーブオイルとニンニクのみじん切り、お酢、塩
それだけ

あまりに好きで、ここ何日か
ほとんど毎日食べている

今日は、噂に聞いてはいるけれど
まだ食べたことのない
モロヘイヤスープを作ってみる

鶏ガラにモロヘイヤを入れて塩で味を整える
最後に、オリーブオイルと、それで煎ったニンニク
スープに入れる
これも、それだけ

ほとんど料理をしたとも云えないようなものだけれど
とてもおいしく感じるのは
野菜が、おいしいからだ

写真だけ見ると
ただひたすら、緑なのだけど

たぶん、眼が緑に飢えているから
身体で摂ってみているのだと、思う

The Remains of the Day



最近、夕方はベランダで過ごしている
部屋の中には人がいっぱいで
何を話したらいいのかわからないからだ
たぶん、そういう人たちと心地よい会話ができるほどの
人格を持っていない

北側に向いたベランダからは
近くの家の屋上が見えて
貯水タンクの修理をする人や
洗濯物を取り入れる女中さんや
小屋に戻る鳩の群れが見える

日が傾いて夕暮れの気配が訪れるのは
8時近い
空の色が変わる
よく澄んだ浅い紫色の空

なぜか、時折
The Remains of the Dayというフレーズが出てきた

そんな折に、図書室で
「日の名残り」を見つけて
あまり時間もないのに
つい夢中になって読んでしまった

あまりに気に入って
原本も読んでみて
分からない部分も多かったけれど
dignity、と繰り返し口に出して唱えてみたのを思い出す

乾いた土地で読むイギリスの田園風景と
あまりにも抑制のきいた主人公の言葉や感情の往く末は
もう、何度目かのはずなのに
深く身体の底に
云いしれない感慨を残す


「夕方が一日で一番いい時間なんだ」
きっと、この言葉だけをよく覚えていて
それがどんな状況でのセリフだったのか忘れてしまっていた

後悔を苦く噛み締める
そして、夕暮れ時の海辺の広場で
広場を彩る夜の灯がともるのを、待つ

訳者のあとがきでは
「その日一日のなごり、つまり夢」
というフロイトの言葉にもつながりのある
題名だと、いう

けして、それまでの人生の名残りでは、ない

18時前のアンマンでは
まだ、空は高くて青い


2011/07/19

美術館の本





国立ヨルダン美術館を訪ねる

ヨルダンだけではなく
中東を中心にした作家の作品が置いてあった
大きくはないけれど
適度な量で見やすく明るい美術館

ほとんどが平面作品で
抽象が多いのは
イスラム教が理由なのか

何故だか
ヨルダンの作家の作品は
随分と色が抑えられている

そして、2階の奥の部屋には
アラビア文字を使った絵画がずらりと並んでいて
線の集積のように色とりどりの文字が描かれる
文字がほとんど読めないのが残念だけれど
文字までが模様のようで
今までには見たことのない絵画のかたちだった

最上階には小さなライブラリがある

専用の棚に入った巨大な本があった
フランスの監修で
タイルやテキスタイルのパターンが
収集されている
モノトーンから着彩のものまでさまざま
極度に抽象化された均衡を保つ
さまざまなパターンが
ページをめくるたび、次々と出てくる

3冊のうちには
動物がモチーフになった
テキスタイルの見本も少しだけあった

模様として納まるには
あまりにもそのままな彼らが気に入る


入り口の外からでも聴こえる
元気な子どもたちの声

ちょうどサマーキャンプをしているところで
常設の絵画の前で
子どもたちが勢いよく材料を散らかしながら
思い思いに好きなところに座って
作品作りに熱中していた