2011/11/07

ダナの谷






休暇に入った
仕事が始まったから初めての長い休み

ダナ公園へ往ってきた
ヨルダン南部、死海とタフィーラの間あたりにある
岩ばかりの山の中


ダナ村を出発するときの標高は1200メートルほど
ゴールとしたロッジまで1000メートル近い標高差を
15キロほどの道のりでひたすら下り続ける


周囲をほとんど生き物の気配が消えた山に囲まれた
水のない川の跡を辿るように道は続く
ツバメに似た飛び方をする鳥が空に居る

それだけ

よく見ればトカゲやてんとう虫も居る
けれども
緑の色も褪せた植物もまばらだった

砂利に足を取られないように注意して歩く
足音だけがよく、響いていた


5時間近く、歩き続けた


ゴールのロッジはRoyal Society of Conservation of Natureが運営している
エコ・ロッジだった
夜の灯りはろうそくだけ
客はたくさんのろうそくに囲まれて
食事をとる


そう、ずっと昔はこうして
歩き疲れて家に帰り
暗い灯りの下で食事をとって
暖炉の周りでお茶を飲みながら話でもして
そして、朝までよく眠ったのだろう


西洋人ばかりの客たちが
わずかな灯りの元
色々な言葉で談笑している様子を
昔の映像でも見るように眺めた



久しぶりに、観光客の気軽さで
この国を見られたような気がする

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