2008/10/08

秋を煮詰める 土になる





一人暮らしというのは食べる楽しみが半減する、そう思います。
一人で食べてもつまらないし、家に誰かを誘うのも
立地が悪いせいもあって申し訳ない。

でも、時折猛烈に何か食べ物を作りたくなる。
今回は、周りの方からさんざんに農協のはなしを聞いたからでした。
つくばの農協にはいちじくがたくさん出ているらしい。


私の実家には小さいころからいちじくの木があって、
それこそゴマダラカミキリムシなどがきれいな穴を空けて
巣を作ったりしているのを観察しながら、
実が大きくなってゆくのをあんぐり口を開けたまま
見上げていました。

でも、意外に生のいちじくを食される方が少ないようで、
乾燥したものならお酒のつまみにでもするのだけど、
というお話をいろいろな方から聞きました。

では、やってみよう。

いちじくのコンフィチュールを作りました。
胡桃なども入れて、少しワインが多目です、だからあまり長持ちがしない。
早速お世話になっている方へビンに詰めて持ってゆきました。

農協にいちじくを買いに往ったとき
ついでに立派な栗も買いました。
そもそもは児童館で出す課題、秋を描こう、のモデルさんとなるはずのものたちでした。
でも、どうも、モデルには多すぎる。
だから立派な栗をクリームにしようと、ゆでたのでした。
でも、あまりにも立派でクリームにするのはもったいなかった。
ので、鬼皮だけ剥いて、渋皮煮にしました。
クリームも作りたかったので小さめの栗をゆでて生クリームとバター、砂糖とラムで
クリームを作りました。


ついでに、葡萄も素敵な色のものがたくさんあったので
モデルの用が済んでから
コンフィチュールにしました。

小さな家中に甘い匂いと熱気が広がります。
ビンに詰めて蓋をすると
生だったときよりも色が濃くなって
どれもが豊穣な、土の色になっていました。
すべてをビンに詰めて
食べていただきたい方、お世話になっている方に配りました。
秋のひそやかゲリラ、という気分です。

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