2008/09/23

親密という音について


用事があって月曜日、久しぶりに都心へ出たので、
HMVへ往き、久しぶりにCD探しをしました。

気になるアーティストを見ていったのだけれど、
こういう日もあるよな、と思うほどさっぱり何もかもが見つからず、
もうずべてCDの出てしまっているはずの、つまり、もう死んでしまったアーティストまで
わざわざ、チェックしてみました。

そこで見つけたのが、写真のアルバムです。

Nick Drakeはもう30年近く前に、死んでいます。

とにかくギターの音色がきれいで、
静かな、どこか物悲しい声音が秋にはいいようで、最近よく聴いていました。
このアルバムは、まだデビューする前のNick Drakeが
自宅で録音した音源を収めています。

家族と一緒に合唱したり、合奏したり、会話をしたり
後ろでドアが閉まり、誰かが入ってきたり、何かが落ちたり、
感想を云ったり、しています。

録音の機材のためなのか、いくらかくぐもっていて
それが、閉鎖された空間を、音にしています。
それは家族のいる室内、ということなのですが、
あまりにも親密で、あまりにも濃密で
疎外感と、それから温かさが同時に身体に染みてゆくのを感じます。

どこか空恐ろしいような、音でした。
たったの26歳で死んでしまった人の、音のかたちを
見てしまったような気がしました。

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