2010/11/08

詩となる映像


とっておきのものだったから
いつ見ようかタイミングを伺っているうちに
いつの間にかもらってから
半年以上経っていた

テオ・アンゲロプロスの「永遠と一日」を見る

簡単なストーリーと印象に残る言葉
それからいくつもの映像だけを記憶していた
何年ぶりかに見る映画は
新鮮に映る場面も多かった

ブルーノ・ガンツの笑顔が
もう、どうにもならないほどに切なくて
どの場面で笑っても悲しくて
不法入国をした少年の笑顔よりも
底知れなかった

一つ一つの映像が長い
ゆっくりと流れてゆく映像が
そのまま一つの言葉のようだった
もしくは、詩の1行

意味が広がってゆく
映されているもの以上の何かが
じわりと染みだして身体に広がってゆく


それらを味わうのにちょうどいい
一つの風景に対する、時間の長さ




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