2009/09/09

善人の顔立ちをめぐって



なぜか必ず、どこの学校でも
音楽室には作曲家の肖像画が飾ってある
正直あまり好きではないし
絵も残念ながら、素敵では、ない

でも、それらの絵を見て育っているから
それほど音楽に関心のない人でも
バッハの顔とベートーベンの顔の区別ぐらいは、なんとなくつく
それらの絵によれば
バッハは福耳を持っていそうだし
ベートーベンは前のめりでしか歩けなさそうだ
意外と、サン・サーンスなどは
そこら辺の家具職人、みたいな感じだし
リストは少し、意地の悪い金融家にも見える
どれもみな、真剣な顔で
当然、笑いかけている絵などはないから
どうも、一生そんな顔をして
苦しみにもだえながら曲を作っていたような感じが、する

ブラームスなどは大好きだけれど
どうにも険しい顔つきで
とても社交家には見えない
きっと、いい天気ですね、などと云ったら
一瞥を食らい、返事をしてもらえなさそうな気がする
もしくは、聴こえていない



先月にバルトークに関する本を読んだ
それから、バルトークが表紙の楽譜を手に入れた
弾く前に、必ずその顔を見る
くすりともしていない、至って真摯な顔つきなのだけど
どうも、人が良さそうな感じがする

実際にどうだったか、
残念ながらその本には詳しく書いていなかった
でも、どうにも曲の中には
独特の慣れない音の組み合わせや
飛び方があって
変に技巧的だったりというわけではないのだけど
そして、どちらかと云ったら、実直なものが多いのだけど
どこか不思議に凝り性なところがあって
さっぱりその底にあるものを
掴める気がしない

やはり、見た目の判断は
あてにならないのかもしれない

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