2010/03/23

昼間の街





平日の昼間は仕事があるので滅多に出られない
仕事が切れたので、初めて休みを取って街へ出る

市場の様子
蓮の生花を初めて見る
青い海老、縛られた蟹
生気に満ちた人々


2010/03/20

呼び起こされるもの 思い廻らせること

熱を帯びた風から
もうそろそろ1年が経つこの土地についた日のことを
思い出す
飛行機から出た瞬間の
身体を押し上げられるような空気の塊のことだ

たくさんのことがあったようで
たくさんのことを感じたようで
でも、土地に根ざしたものがなかったり
成長が実感できなかったり
むしろ停滞しているのではないか
後退しているのではないか
自分に対する不満がつのる

来週、ほんの短い期間だが、帰国する
何を携えて、帰国をするのか
何か、この土地について
この1年について
愛情を持って話すことができるのか
ずっと、でも、随分ぼんやりと、考えている

2010/03/18

逃避行


仕事に切れ目がついて、いくらか時間に余裕ができる
もちろんすることもあるはずなのだけど
ぼんやりとしてしまって
誰も買って出ない屋外での仕事などをしながら
敷地の外の、草の揺れる野原などを眺めていた

どんどんと暑くなってゆくこの季節
雲はいよいよ夏空の形になって
風が熱気を帯びる

久しぶりに草の葉が摺れる音を聴く

こそこそと、さぼりの高校生のように
外仕事の合間、建物のかげに隠れ
本を読む

また、須賀敦子を読み
また、いしいしんじを読み
弥生ついたち はつつばめ、とか
とん、たたん、とん、などと口ずさむ
それからまた、仕事の続きをする

2010/03/10

バイクの後ろ

こちらの交通手段といえば、圧倒的多数の人がバイク、と答えるかと思う
個人的には、こちらへ来てから、タクシーに乗ることがほとんどだった
自転車を持っているので、週末は自転車に乗ったりもする
セオム、と呼ばれるバイクタクシーに乗ることも少なくない

週末、バイクの後ろに乗せてもらって少し遠出をした
何が特別かと云えば
ヘルメットを買ってしまった、ということだろう
二人乗りまでは合法だけれど
ヘルメットがなければ捕まってしまう
たまたま、バイクの持ち主が予備を持っていなかったので
どうにもセンスの悪い、たった、ほんの200円ぐらいの
ヘルメットを、買ってしまった
捕まらないための飾りだ

バイクの後ろは気持ちがいい
運転をするにはあまりにもストレスの多い交通ルールも
後ろに乗っているだけではそれほど感じない
もっとも、あまりにバイクの量の多いところでは
膝が隣のバイクと当たってしまうのではないかと、心配になるけれど
単純に、風が、ここの暑い気候に心地いい

バイクに乗ることは
そろそろ1年になるこの土地で
新鮮に、ベトナムに居ることを感じることができる
一番の方法のようだ


2010/02/16

静かな 本当に静かな日


バイクと車と、工事の音と
人の話し声とお店から漏れる大音量の音楽と
クラクションと子どもの大声と
それから、ものものの気配が消える

静かな日が続く

おそらく何かを考えるのにちょうどいい

いつもは聴こえないものや
いつもは目に入らないものが
立ち上がってくるのを鋭敏に捉えながら
久々の休日を過ごす

2010/02/14

テト お正月のこと



今年の2月14日は旧暦の正月に当たる

大晦日である13日
仕事場からの帰り
暑いのに、なぜか夕暮れの空だけは
冬の寒くてよく晴れた日のそれとそっくりで
暗い青と赤い地平線に染まる

肌と視覚が合わなくて戸惑う

普段ならとにかくバイクだらけの大通りを
走るバイクもまばらで
本当に、日本の大晦日と同じような情景になる


夜、花火が上がる、と聞きつけ
1区へ往く
縁起がいいとされている
黄色い花の巨大な飾りが街中の街路樹に飾られていて
人々はすっかり、正月気分のように見える

ものすごくたくさんのバイクと人が
メイン通りに集まってきた
ちょうど初詣の様子と同じだ

12時をまわると花火が上がる
どこまでも止めどなく上がる
もう、終わりかな、と思い拍手をする度に
次の花火が上がって
タイミングを失ったたくさんの人たちが
ただただ空を見上げる

火薬のにおいが風に乗って届いてきた頃
ようやく、溜まった煙の中で最後の花火が上がて消えた

2010/01/31

いつまでも うまくいかないことなど

論理的にものごとを考えるのがどうにもできない人間として
これはいい、そう思えるものを
どうやって人に説明をしたり
自分の中に還元してゆくのかは
大きな問題となってしまう


話しながら、考える人
集中して言葉を探す人
自然にわき出てくる人
書いて整理をする人
さまざまで
もう、どれが自分にとっていい方法なのか
いい加減わかってもいい頃になった


それでも未だに、試行を繰り返す


自分がいいと思うものの
ぼんやりとした影のようなものを追って
掴んだ気になっては
やはり違うような気がして
その影の居場所をわからないまま
ぐるぐると同じところを
往ったりきたりしているようなきがしてならない

話すことの大切さを知りながら
同時にその難しさにほとほと困り果てて
結局、つらつらと思うことなどを
話すのではなく
言葉にして書いている
手元にメモのようなものを置いて
気がついたら書いてゆく

それが本当に有効なのかどうか
自分にとって正しいのかどうかはわからない

アニメではないけれど
云った言葉が中空にそのまま残っていったら
もう少し、言葉に対して鋭敏になれるのかもしれない
そんなくだらないことを、ぼんやり、思っている