2010/03/18

逃避行


仕事に切れ目がついて、いくらか時間に余裕ができる
もちろんすることもあるはずなのだけど
ぼんやりとしてしまって
誰も買って出ない屋外での仕事などをしながら
敷地の外の、草の揺れる野原などを眺めていた

どんどんと暑くなってゆくこの季節
雲はいよいよ夏空の形になって
風が熱気を帯びる

久しぶりに草の葉が摺れる音を聴く

こそこそと、さぼりの高校生のように
外仕事の合間、建物のかげに隠れ
本を読む

また、須賀敦子を読み
また、いしいしんじを読み
弥生ついたち はつつばめ、とか
とん、たたん、とん、などと口ずさむ
それからまた、仕事の続きをする

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