2008/04/04

旅のはなし3-道中 そしてジェノヴァ


フランスの山脈から海に向けての移動は心躍るものでした。

山間の険しく山肌も粗い岩ばかりの道を往くと、そのうちになだらかな丘の広がる丘陵地帯へと入っていきます。そして、また高い山でこそ無いものの起伏の激しい山並みが続いて突然海に出る、というのが大まかな景観の変化です。途中の丘陵地帯は、ワインで有名なピエモンテ州、フランスに近い山間は、アオスタという街がガイドには小さく載っている、という程度の鄙びたところでしたが、一番印象に残る景色でしたイタリアの高速道路は比較的見やすくて左右が反対であるところを除けばガイドブックの紹介以上に走りやすい道です。

ただ、都市は惨憺たるもの。街の中で高速を降りると、後はほとんど勘のみがたよりでしたが、とてもとても、生きた心地のしない道ばかりでした。奇跡的に目的地であるホテルから近いところに降りることができましたが、それは本当にまぐれでした。

今回の短い旅のことを思い返すと、どうしてもこの、車の恐怖感を、思い出してしまうのでした。

道が分からずに車を止めたところが、どうもジェノヴァで最も、物騒な区域だったようです。このことは後でホテルの人に訊いたのですが、実際に、何となく私の中にある、ある種暗いイタリア、というものを目にしたような気がします。きらびやかなイメージは観光だけで、観光もさることながら、以外で国自体を支えている人々の中には、貧困に頭をもたげている人も多い。それはどこの国でも同じことですが、イタリアの古い映画のせいか、そのような印象が強かった。道路事情について言葉を並べるよりも、経験してみたほうがいいと思うので、機会があったら運転してみるのも、いいかもしれません。よほど運動神経がよければ、のはなし、ですが。でも、運転に関しては、とりわけマナーが悪い、というようには感じませんでした。

 

ジェノヴァに着いた日は、ただ助手席に乗って地図を見ていただけなのに疲れきってしまいました。夕方ぶらりと散歩をして、かにの足のようなへんてこオブジェのある港でビールを飲み、夕暮時に散歩を楽しむ地元の人々を見ていると、すっかり酔いも回って、そうそうに帰るのでした。

そう、水族館の近辺は犬を散歩させている人が多いのですが、立派なフンを、一回踏みました。むこうの犬は大きいので、フンも、大きい。処理のマナーはタバコのポイ捨てと同じで、とっても悪いのでした。ただ、フンに関しては汚いだけですが、たばこの吸い殻は、憎いほど石畳に合っていました。

 

 

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