ラマダンが終わって、イードというお休みの日ができる。
バングラの事件の余波で、アンマンに留まる。
夜、窓から見えるアンマンの街は、
いつも通り、無数の街灯と点在するモスクと、それから窓から漏れる光で
黒い丘のシルエットに、オレンジ、緑、白にきらめく。
お宅にお邪魔したり、家に人を招いたりして、
それとなく、イードらしい暮らしができている。
ありがたいことだ。
相変わらず夜は長くて
これでは仕事が始まったら大変だと、がんばって眠ろうとするのだけれど
外が心地よく騒がしくて、眠れない。
久しぶりにピアノでコード進行をさらってみたりする。
窓際に置かれたピアノを弾きながら、モスクの緑と
遠い街並の灯りをみる。
和音の面白さを、今更知る。
調によって、性格というのがあるのだろうか、と時々思う。
この調はこういう独自の色味や特徴がある、というようなもの。
基本はずらしていくだけだから、均一であるはずなのに
例えばクラシック音楽には
作曲家の好みの調があって
どうしてこんなにフラットばかりつけるのだろう、と
譜読みに時間のかかる私は、頭を抱える。
そんなことをしていたら、また夜は更けていって
アザーンが流れる。
こちらの人は、絶対アザーンを音楽とは、云わない。
でも、アザーンの声をピアノで拾うことができる。
夜中のアザーンをこそこそと、弾いてみる。
調はないのだけれど、旋律に独特の響きがあって、面白い。
眠れない夜中の、内緒の楽しみ。
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