2012/03/11

歩く、日

今日という日、歩くことにした
だからなんだ、と
自分でも思う

不在だった負い目や
想像力の限界
無意識に心へ働く制御を感じながら
去年と同じように
また、今年も遠い土地で
歩くことにした

春の気配に包まれた薄曇りの空と
たくさんの黄色い小さな花

去年と変わらないのは
ひどい砂埃と横着で無鉄砲な車と
うっすらとかく汗

結局のところ
こんなところでどうしたらいいのかわからないのだ
それは、去年もそう、今年もそう

ただ、歩いている間
例えば、ある、自分に似ていた人のことを思う
今晩の食事をどうしようか、とか
あの仕事、やりたくないな、とか
なんでもっといいことが云えなかったんだろう、とか
お店にあったあの服がやっぱり欲しいな、とか

きっと、そういう人たちが居た
だから、会ったこともない人たちのことを、考える

それから、自分のことを少し、考える

誰にとっても意味なんてない
ただ、歩きたいから、歩く




0 件のコメント: