2011/08/19

بحب حمار


せっかくペトラ遺跡に往ったのに
そこらへんをうろうろしている
ロバとラクダに気を取られる

大きな耳、少しうつむきぎみな顔
細い足、苗のようなたてがみ

確かに暑かったし、岩だらけの小山に登って疲れていた
でも、歩けないことは、なかったのだけど

随分割高と分かっていたが、ロバに乗る

よいしょよいしょと坂道を
時々疲れたと立ち止まっては
飼い主の男に叩かれ
またのっそりと歩き出す

こちらの人はなぜだかと
とてもよく、家畜を叩く
ロバなど、たたいてちょうどだ
とばかりに、叩く

ロバはすぐひるむ
だからきっと、馬鹿の代名詞に使われてしまう

少し卑屈な悲しい眼で
叩かれた後ろ足を見遣ったり
叩かれた首をよじったりしながら
頭を縦に振ってもう一度、歩き出す

こちらが、楽しいのか悲しいのかわからない

目的地までついて
ロバからおりて
ロバの鼻筋や額をなでる
あまり表情が変わっていないような気がしてくる


きっと足下の砂利や階段に足を痛めないように
地面と往き道に神経を集中させて
どうしたら叱られてしまうのか
どうしたら叱られないのか
時々思い出しながら
歩くのだ

彼らにとっては
荷物が乗ろうが人が乗ろうが
関係ない

そんな彼らの変わらない顔つきに
でも、どこかで安心する

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