アンマン城へ往く
アンマンで一番好きな場所だ
ヨルダンに来た当初
通っていた語学学校の近くだったから
帰りにふらりと寄ったりしていた
観光客に紛れて
誰にも干渉されずに
静かに街を見下ろせる
初めて着た頃にはさっぱりわからなかった
丘の名前と場所が一致してきた
あそこがジャバル・ウェブデ
あそこがジャバル・ヌズハ
あそこがジャバル・フセイン
と、一つ一つ確認したりする
アンマン城があるのは、ジャバル・カラア
西に向かったベンチに腰掛けて
街から立ち上がる小さな音に耳を澄ます
昼のアザーンには
たくさんのモスクからのアザーンが
一斉に輪を描いて遺跡の上を回る
春のような、穏やかな日差しを浴びて
観光客向けのバグパイプ演奏を遠くで聴きながら
ぼんやりする
考えてみたら
今まで来た中で
一番緑が多い
12月だというのに、おかしな話だ
本を読もうと思って
レイ・ブラッドベリの短編を入れてきた
遺跡でSFなんてオツじゃないか、と
でも、ipodのピアノの音が
するすると身体に入ってくる
久しぶりにシューベルトの21番と
ブラームスのバラードやラプソディの小曲集を聴く
気がついたら、もう日が傾き始める
着た道を少しそれて
丘を下る
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