やっと取れた休暇で、実家へ戻る
母の日だと云うのに
悪びれもなく、手ぶらで、帰る
新幹線が好きだ
少し、速すぎるけれど
移動をしている、という気になる
移動をしている状態が好きなのだと思う
どこにも到達していない状態
今まで東京から名古屋までの新幹線しか乗ってこなかった
だから、富士山や大井川や茶畑
季節ごとに違う外の景色を
確認しながら、乗る
京都への道のりは見慣れていない
窓側の席を取り
食い入るように外を見る
云い分けることのできない
あまりにもたくさんの緑色に覆われていた
一番色合いに溢れている頃なのかもしれない
たった40分ばかりなのが、惜しい
例えば
欅の新緑の色が
鮮やかで華やかに見えたのは
でも、久しぶりだったからなのかもしれない
べトナムは年中緑だったけれど
きっと必ず緑のどこかに
根っから深く、腰の据わった色があって
だから、こんなにふわふわと柔らかいばかりの小さな山が
随分と珍しく見える
同時に、でも
スコールの後の
噎せ返るような空気と
艶やかに濡れた緑が懐かしい
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