2011/05/25

花のおわり



たくさんの花が咲いて
咲いてからおわって
おわっている横で
また咲く

そういう季節だから
どこもかしこも
朽ちるものと生きるものが
くしゃくしゃになって
土に帰る

2011/05/23

朝から、ずっと雨であること


大きな建物の中で暮らしていて
よほど用がなければ
外へ出る必要もない

だから、大きくてきれいに拭かれた窓から
降り続く雨を見る

考えてみたら
そんなに降り続く雨など、を
久しぶりに意識したような気がする

ホーチミンで朝から雨が降り続いたのは
私の記憶する限り
2年間で2回だけだった

きっと、大降りの後には
あっけらかんとした青空があって
むわっと押し寄せてくる湿気を
うっとうしいな、とも思えないほどに当たり前に
過ごしていた

日本の雨は、しめっぽい

だから、音はよく
雨のように身体にはしみるようで
だから、本当は聞かなくてはならないはずのアラビア語を置いて
よく、声の震える人たちの
けして軽くはない唄を聴く


どうも、自分の中で
音が南国とは違って響いているのに
戸惑っている



2011/05/14

夜中の落とし穴



夜更かしをするよりは
早い時間に起きて勉強する方が効率がいい

早めの就寝

でも、ここ何日か
真夜中に目が覚める
今日は、3:21

ずっと音楽をかけっぱなしにして
寝てしまっていたからかもしれない

聴き慣れない曲たちが
頭の中で、物語になって再生される

同じ人を、2回、殺したらしい
私は、ものすごく後悔している
後悔しながら歩き続ける

言い訳をしたり、自問自答したり
途方に暮れたりする


すっかり疲れて目が覚めると
きん、と冷たい空気を音にしたような
厳しい音の波がやってくる

この、せいなんだろうか?
なぜ同じ人なのに
2回殺したことになっているのだろう?
よく、分からない

まんじりともせず
朝を迎える





2011/05/08

あおいやま

連休の最後

やっと取れた休暇で、実家へ戻る
母の日だと云うのに
悪びれもなく、手ぶらで、帰る

新幹線が好きだ
少し、速すぎるけれど
移動をしている、という気になる
移動をしている状態が好きなのだと思う
どこにも到達していない状態

今まで東京から名古屋までの新幹線しか乗ってこなかった
だから、富士山や大井川や茶畑
季節ごとに違う外の景色を
確認しながら、乗る

京都への道のりは見慣れていない
窓側の席を取り
食い入るように外を見る
云い分けることのできない
あまりにもたくさんの緑色に覆われていた

一番色合いに溢れている頃なのかもしれない

たった40分ばかりなのが、惜しい


例えば
欅の新緑の色が
鮮やかで華やかに見えたのは
でも、久しぶりだったからなのかもしれない
べトナムは年中緑だったけれど
きっと必ず緑のどこかに
根っから深く、腰の据わった色があって
だから、こんなにふわふわと柔らかいばかりの小さな山が
随分と珍しく見える

同時に、でも
スコールの後の
噎せ返るような空気と
艶やかに濡れた緑が懐かしい



2011/05/01

気晴らし

高校生みたいだ、とも思うけれど
高校生だってそれなりに
様々な教科をこなしているのだから
1つの言語にだけ執心していればいいのは
楽、なのかもしれない

目下、切羽詰まった状態

週一度の休日も
結局週明けのテストに向けての勉強に費やされ
大して出かけられもしないまま
悶々と、うまく発音できないセンテンスを繰り返す

例えば、世界中から、という言葉が
うまく云えない
単語の切れ目が、次の単語にかかっていて
よくわからないのだ
だからたった3秒ぐらいのセンテンスを
云えるまでに20回以上も聞く

休日だからいいだろう
久しぶりにアラビア語ではない
音楽を聴きながら勉強をする

yusaのアルバムを聴いていると
あまりに気持ち良さそうに唄うものだから
うらやましくなる

休日は昼間にピアノを弾くことができる

集中力が切れたのをいいキリに
ピアノを弾く
簡単な伴奏の曲を弾こうとするけれど
思い出せなくて
結局、ただ、ポンポンとピアノの音を聴いて
満足する

恐ろしく鍵盤が汚くて
すざましく音が外れているのだけど
それでも、やはり、単純に、うれしい

音を聴きつけてやってきた人たちと
いろんな曲を弾いて遊んだ

音楽はいい

言葉も、音楽のように染みてゆけばいいのに