2010/05/29

犬の絵





久しぶりに時間があるとき、絵を描いている
といってもスケッチ程度で
どうしたいとか、こうしたいというのもなく
ただ、描いている

なぜ犬なのかも、よくわからない
身近にもいるけれど
写真から描いたりしている

時々、とても気にかかる表情の犬がいる
ものすごく臆病な
卑怯そうな犬
傲慢な犬
仙人みたいな犬

人を描く気が起きないのに気がつく
たぶん、犬の表情を描く方が、心地いい

2010/05/10

季節の中で


そろそろ、家の前の街路樹である火炎樹も
花を咲かせる季節になってきた

火炎樹を見上げる姿を
渋谷か銀座の映画館の前で立ち止まり
じっと見つめた時から、もう
10年近く経つ

それから、ベトナムと云えば一番に
この映画のポスターを思い返していた
もちろん映画も気に入っていた

随分久しぶりに見る映画には
もう一つの楽しみ方があった
撮影の舞台はホーチミンの中心街で
10年前のホーチミンの様子を見ることができる

ハーヴィー・カイテルがぼんやりと座り続ける街角や
物売りの少年が追い出されるホテルや
シクロが走るロータリーが
変わらず今も残る

映画の中の街を走るバイクはどれも、古いカブだった
ここ10年間の発展が伺える

ただ、話の核になる生花の蓮を見たことがない
香り高い蓮の花を自転車の後ろに乗せて売る様子を
実際の街の中で見ることはない

ハーヴィー・カイテルが再会した娘に蓮の花を渡すシーンが好きだ

蓮の花はないけれど
街の持つ雰囲気を充分に味わえること
それから、細やかな視点を持てば、
街はもっと違って見えることを
知ることができる映画だった

2010/05/08

夕方の声



ふと気がつくと、聴こえてくる
女性のの澄んだ、まるくてきれいな声のような
ソプラノリコーダーの音にも似た
鳴声が聴こえてくる

毎日、夕闇の空に響く

ラ♭ソソ♭ファミミ♭の音