2009/11/22

秋などというものを


ここのところ、涼しい
今日など、半袖で少し寒いぐらいの風が吹いている
空一面曇っていて
雲間から漏れる光が柔らかい
運動会の朝を、思い出す

ここには秋がない
乾季が始まっている
初めて経験する、初めての季節だ
季節は、感覚として身体に残ってゆく
この季節が、
いつかとても恋しく感じる時がくるのかもしれない

2009/11/15

心の均衡をつかさどるもの



ここのところ
家にブーレがいるせいで
朝食をゆっくり食べられない
仕事場へ往ってから
他の人の迷惑にならない裏口のスペースで
小さなお菓子やパンを食べている

外は気持ちがいい
たとえ、目の前には焼却炉と
その先にはくさっぱら
それだけしかなかったとしても
何となく、気持ちがいい

空を見上げ、草を眺め
それから、ほんの少しだけれど本を読む
また、須賀敦子を読む
ヒヤシンスのはなし
電車道のはなし
彫刻家のはなし
トリエステのはなし
ソレント近くの遺跡のはなし

最後までは読めなくて
だいたいは途中で止めてしまうのだけど
朝に、少しだけ違う国へ往き
ものごとの感じ方について
柔らかで透徹した視点について
これも、ほんの少しだけれど、考える