skip to main |
skip to sidebar
黒い染みのようなものが建物の角のブロックの端にくっついている
なんなのだろう
気にかかる輪郭だった
まだ、雨期は終わらない
でも、朝には澄んだ空気が風に乗る
だから往き場を失ってしまったのだと思う
気がついたら、こんな姿になっていた、
というところだろうか
強く翳りを知らない真昼の日差しの中の
静止した風景
よく本が読める日が続いているそれは、とてもいいことだ
先週からずっと、いしいしんじの本を読んでいる
こちらで読めるものは少しだけなのだけど
「ぶらんこ乗り」と「麦ふみクーチェ」を読んで
なんでこんな話が書けるのだろうと
心底、思う
それを、心から楽しめるのがうれしい
ものすごい、思い、のようなものがあって
でもその思いからずれない程に
たくさんの話が織り込まれて
いいことも悪いことも
正しいこともさっぱり正しくないものもあって
でも、最後にすべてがすっと
同じ、その思いに終着する
いいも悪いも、ない、そう云っているような気がする
思いが、こちらにはまだまだ足りない
何かを生み出すのに
思いがまだまだ足りない、そう感じる
雨がきっと多いからか道ばたに、グラウンドに、芝生に
かたつむりがいたりする
仕事場の敷地の外で
こんどは、地を這うものを捕まえた人が
見せてくれる
初めてまじまじと見るやどかり
どうも、ナウシカに出てくるあの生き物のようで
足に生えた小さな毛やくるくる回る真っ黒な目を
観察する
いろいろなものが
雨に浮かれて這い出してくるのが
雨期のようだ