2008/05/27

三島由紀夫のはなし


前回載せた、「レター教室」、読み終えました。

仕事へ往く電車の中で、全部読み終えてしまいました。
なかなか、面白かった。しかも、興味深い、という面白さではなく
むふっと、笑ってしまう部類の面白さでした。

三島由紀夫と云うと、「金閣寺」や「潮騒」などなど、
重厚な文章と繊細で艶美な描写が印象に強い。

ですが、どうもこの本は、そう云う類のものではなく
どちらかと云うと下世話な部類の本でした。
下世話で、ある意味生き生きしています。

5人の人物の手紙のやり取りで
ストーリーが展開してゆくのですが、
それぞれ何かしらの関係性がある5人が
それぞれの立場から、起きている問題や悩みを
相手に向けて、都合のいいように書いている。
茶番に近いのですが、文豪が書く茶番は
人物の性格や、それによる言葉の使い方が
徹底しているので、ほんとうにおかしい。

手紙調で話を展開させてゆく小説はたくさんありますが
だいたいは語り口調が切々と訴えてくる
涙もの、が多いような気がします。
そういう、文体を使った(云い方は悪いですが)
セコいやり口ではないところも
私にはツボのようです。

三島由紀夫は、確かに文豪でした。

2008/05/24

book pick orchestra



またまた、先日starnetへ往ってきました
そこで、以前書きました本の素敵な販売方法のもの、
一つ、購入しました。

封筒に一文が載っている、そこから本の中身を想像して、選ぶ

「夜がシンシンと更けてくると、猫はますます猫的になります。」

気になります。
本が好きですから、こういう売り方をされるともう、
いてもたってもいられなくなる、そして、買ってしまうのでした。

中身は何だったかと云うと、三島由紀夫でした。
「レター教室」
本屋で何度か手にしたことはあったのですが、
結局買うに至らなかった本でした。
思わぬ出会いに、不思議な気分。

一文一文、取り上げてみると、
どれも素敵なものなのだな、と
改めて感心するのでした。
さて、どんなところに使われているのか、
今からさっそく、楽しみです。






2008/05/20

いとしのピスちゃんは思っていたより痩せていた


恥ずかしいはなしですが

コアなJ-WAVEリスナーとして
平日の夕方にやっている
ピスちゃんことピストン西沢と秀島史香がやっている
groove lineという番組を一度は渋谷のHMVまで往って
見てみたいと思っていたのでした

不謹慎ながら早く仕事を上がった月曜日
いそいそと渋谷まで出かけていってどきどきのHMVへ

月曜日でしかも天候が悪いとあってか、
思っていたほどお客が居たわけではなかったのですが
ピスちゃんのDJ姿は人ごみでほとんど見えず
はぁ、と小さくため息を吐くのでした

でも、ピスちゃんが回すDJのコーナーが終わると
みな、あっという間に帰ってしまう
心なしかピスちゃんのやる気も無くなっていっているようで
投げやりな感が見え隠れするのでした

が、そんな折になんと、
番組の最後にやっているCDプレゼントに当たってしまったのでした
これに当たると、ラジオでその中の曲を一曲、かけてもらえて
ピスちゃん、秀島さんとお話が出来るのです
かなり緊張しつつ、自分の番が回ってきます
ピスちゃんにいじられるのを楽しみにマイクの前へ往ったのですが
残念ながら、ピスちゃんの気分が乗らなかったのか、
あんまり話させてくれませんでした。あぁ、残念

もう一人その日、CDをもらえたおじさまと、
渋谷駅まで話しながら帰ったのでした
今日はステッカーも配ってくれなかった、と悲嘆にくれながら

そしてきっと、私みたいなのは絡みづらいんだろうな
と、一人反省会をする山手線なのでした

しかも、さっきふと、私が配られた応募用紙に書いた題名が
本当はnew soul なのに new song と、
かなり恥ずかしい間違いをしたことに気がつき、
今度は赤面する千代田線なのでした

いつか、もっとのりのりで話をしてみるぞ
と、心に誓う今日この頃でした






族長の秋


ガルシア・マルケスの代表作と云えば「百年の孤独」 

分厚い本ですが、値段もなかなかのもので

何度となく本屋でその、ずっしり重い本を手に取りつつ

何度となく値段も見直して、なくなく

諦めて帰ったものでした

「百年の孤独」は,結局他の人が購入したものを貸してもらう

というかたちで、やっと読むことが出来たのでした

たまたま、2、3週間前にstarnetという益子のお店に往きました

そこで、なかなか素敵な本の売り方をしていて、

魅力的な一文が載った封筒に、

その一文が入っている文庫本を入れて、売っている。

誰かに贈れるようになっていて、

一文だけで判断した本をプレゼントすることになる。

もちろん、自分に向けてのプレゼントでもいいわけですが

なかなか粋なことするものだな、と感心しました。

その、同じコーナーに置かれたのが、古本の「族長の秋」の文庫本

これは、表紙が見える形で売られていたのですが

昔の古本屋が必ずつけていた、

あの、トレーシングペーパーのような薄くて白い紙を

カバーに使っていて

思わず、撫でてしまうのでした。

都内の大きな本屋に往かないと置いていない代物でした。

それがこんなところに、しかも文庫であるなんて。

すぐに買って、読みはじめました。


さて、「族長の秋」は、百年の孤独よりも前に書かれた作品で、

知名度は先に書いた通り、百年の孤独の方がよほど有名なのですが

私個人の感覚だと、族長の秋の方が、面白い。

ストーリーはタイトル通り、ある架空の国の大統領が

その地位に就いて、そして水占の通り死んでしまうまでの

人生が描かれています。

話のながれ、というよりも、一つ一つのエピソードで

話が構成されているので、

ものすごく細かいパズルのようなものの集積でできた

話になっていました

たぶん私の中でのガルシア・マルケスの面白さ、みたいなものが

この話の中に圧縮して入っている

とにかく、きれいなものや汚いものや、非業なものや情深いものが

ごちゃまぜになっていて、時折人称や語り手までが

ごちゃまぜになってしまう大胆さがある、

しかも、あるものを描写するために列挙されるものやことが

あまりにも多くて、あまりにも色とリどり。


それがずっと、大きく脈打つようにひたすら

続いてゆくはなしなのです。

 

これを書く労力は計り知れないな、と、

さっき電車の中で読み終えてしまって

思うのでした。

 

関心のあるかたは、ぜひ。

 

2008/05/11

連休の疲れとともに


約1ヶ月あまり、ずっと風邪をひき続けています。

やはり、体調が悪いと何事もやる気にならず、
どうも連休の後も、体温計とにらめっこをしながら
ぼんやりして終わってしまう日が、何日か続きました。

家の中で、パソコンを使ってできる仕事をしている間は
なるべくアルーを出しておくことにしています。
椅子に座っている私の足の周りをぐるぐると
回り続けて、疲れるとぺたり、横になる。
そんな様子を時折見ながら
パソコンの画面を見ているのでした。

さて、ウサギと意思の疎通は可能なのか?

個人的には未だに疑問の残るところなのですが
頭のいいウサギは、名前も当然覚えるし
自分から家、と云われると檻に戻ってゆくのもいるらしい。
ですが、アルーは飽くまで性格美人。
残念ながら、そんな日が来ることを
今のところ想像できないのです。

ただ、最近、彼女の好物を知りました。
ドライフルーツ。
これはたまらなく好きなようで
匂いの残った私の手でさえ
ずっと嗅いで、齧ろうとするのでした。
これを使って、うまくいろいろなことを
教えられないだろうか。

子育て下手な親のように
思案に暮れる、今日この頃でした。