2014/04/08

アンマン城を眺める




3度目の正直
アンマン城の見える丘に
住み始める

もっとも諸々の事情で
1ヶ月だけの部屋だ
次の部屋もまた
アンマン城は拝めるはず

呆れるほど見事な眺めに
毎朝、毎晩、うっとりする

本当は、アンマン城に往くのが好きなのだけれど
アンマン城を眺めるのもまた、悪くない

緑に輝くジャバル・カラアの頂は
小さなアリのような観光客を乗せながら
空中公園のようだ

いつの間にか忘れてしまっていた
人々の暮らしの断片の映像を
丘の上から見下ろす

洗濯物を干すお手伝いさんや
何もすることなく、ただ空を眺める人
タバコを吸いながら徘徊する人
屋上は、どこか特別な場所なのだと、思う

そういえば、屋上に住みたかった
空に一番近い部屋なんて、素敵ではないか

屋上では、地に足着いていない
暮らしもまた、そうなってしまうのだろう
でも、そういう暮らしの基盤が
悪くないと思っていた

幸か不幸かそんな部屋には巡り会えず
今までまだ、屋上に住んだことはない

今、屋上を眺められる部屋にいる、なんて
何だか鳥のようで
いいような、気がする