2013/09/16

秋の月


そして、ヨルダンに戻ってきた

そして、という言葉の中には
とてつもなくいろいろなことがあって
だからこそ、そして、としか
書きようが、ない

アンマンの空は今朝
いよいよ秋の気配を増す
標高が高いことを思い出させる
低くてふわふわした雲が
建物の向こう側に浮かんでいた

朝の空気が、冷たかった

仕事を終えて家に戻る
最近食事を作る気にもならなかったのは
たぶん、心の余裕がなかったからだ

腹は減るが、そんなことよりも
目の前のやらなくてはならないことが
多かった

先週買ったブロッコリーが腐ってしまって
料理などしていなかったことに気づく

野菜が食べたいな、と

ひさしぶりに、八百屋へ往く

葉ばかりのネギや、色褪せたトマトや
いろいろな種類のぶどうを
今更ながら物珍しいような気持ちで見る

でも結局
なるべく小さなキャベツと、たまねぎを買って
帰ることになるのだ

もう慣れてしまった
つるつるの坂道を下ったり登ったりして
ぶらぶらと家に戻る

半分ぐらいの、白い月が出ていた
透明なぐらい白い、よく冴えた、月

また、月の世界にやってきた
月の存在が、随分と大きな土地
そして、月を見ながらぶらぶらと歩くことが
許される土地

やっぱり、悪くない

慣れ親しむことを、また、許されたようなきがする