2012/10/27

イードの羊


ワディ・ラムからの帰り
ワディ村でイード(祝日)にいただく羊を
さばいてゆく様子を見せていただいた

今回のイードはイード・アル・アドハー
詳しくは以下を参照のこと
http://ja.wikipedia.org/wiki/イード・アル=アドハー


命をいただいている、という
生々しい感触

記録として載せておく

生きているものを
いただいているんだ

感謝して食べなくては


車の荷台に乗せられて
羊がやってくる


ちゃんと土の上で絞めなくてはいけない
血は、土に返す


皮を剥いでゆく


羊の皮は、思った以上に分厚かった


中身の内蔵は、食べられるところだけ
器に残し
その他は、皮の上に置いていた

肋骨を開く
心臓はちゃんといただくために
お皿に載せられていた

空の色を映した、羊の目
そして、肉屋で見るような
肉になった

ワディ・ラムへ往く


休暇に風邪をひくのは、恒例なんだろう
少し前から具合が悪いな、と思っていたら
出かけるその日に、立派な風邪ひきになった

そういえば、デング熱にかかったときも
夏休みだった
無駄に有給を使った思い出

でも、往きたいものは往きたい
ぼんやりした頭で、出かける


ワディ・ラムは複合遺産らしい
たぶん、私はその遺産らしきものたちはほとんど見なかった
ただ、奇妙な形の岩たちと
真っ赤な砂を眺めながら、寝ていた

砂漠の真ん中で、本気の眠りに襲われるなんて
思ってもみなかった

岩の間のくぼみで
それから、何にもない砂の上で

音がしない空間はどこか、心もとない
かすかな風の音を聞き分け
耳元をうろつく蠅にもどことなく親近感を抱き
うとうとする

砂はものすごく細やかで
ぴったりと身体に吸いつく

たくさんの小さな動物の足跡


夜の月は半月を少し過ぎたぐらいなのに
辺りのものを隈なく照らしていた
夜半過ぎ
月が岩の陰に隠れると
たくさんの星が現れる

オリオン座の他の星座がわからない
そう思っているうちに、また寝てしまった



朝は岩が赤く染まる
白くて賢い犬が
砂漠の真ん中でまるくなっていた


今度往く時にはこんなに眠れないだろう
きっと元気な時に、往くだろうから

でも、ただひたすら
眠気に任せて横になっているワディ・ラムも
悪くはなかった


2012/10/21

今年も アンマンマラソン


今年のアンマンはまだまだ暑い
去年の今頃はもう、薄手のコートを着ないと寒かったのに
半袖の人たちが、10月も終わりになろうという今でも
道を闊歩している

金曜日のアンマンマラソンも暑かった

今年は仕事先のキャンプの施設から
出場している人たちの伴走だった

出場者の他に、キャンプからのボランティア
それから、日本人のボランティアがつく

参加にあたり企画を担当してたボランティアの粋な計らいで
出場者のキャンプからのボランティアは
出場者のお姉さんで
私の仕事先の学校の生徒だった

アンマンの街はいつも車でいっぱいだ
そこを通行止めにして
街の大通りを走るコースだった

出場者のムハンマド君は小柄ながらすばしっこい
初めから歩いて参加するつもりの大きな人の群の中を
右へ左へすり抜けながら走ってゆく

その後ろ姿を見逃さないように
お姉さんのアマルちゃんと私は、必死で追いかけていた

しっかり、現在地の「7キロ地点」なんていう看板の前で
毎回写真を撮り
ムハンマド君は元気に
アマルちゃんは少しお疲れで
ゴールした

ゴールのローマ劇場では
有名な歌手がライブをしている

他の出場者が戻ってくるまで
二人はじっと音楽を聴いていた

素敵な笑顔をたくさん見ることができた

今年も伴走で参加できて、よかった