2012/08/18

トルコへ 愛すべき猫たち

トルコの猫は、人懐っこい
多くの猫は、だるそうに寝ている
石畳の端や、店先や、ベンチの上
触っても嫌がらない猫が多い
猫好きには、たまらない

家に置いて来た猫のこともあるので
つい、猫をかまってしまう

毛足の長い猫はあまりいなくて
日本に居るような猫が多い
黒猫の割合が、ヨルダンよりずっと高かった

ストリートキャット、なるものが成立するらしい
キャットフードをあげているきれいな女の人もいたし
お店の中を自由に猫たちは出入りして
客の残しものを待っている
誰も嫌がらないし、店員も追い払わない

とりあえず、握れそうな猫の手は握ってきた
撫でられそうな猫の頭も撫でてきた
毛並みがいいので、触り心地も、いい






ぶさいく顔も、多かった
鼻に黒い点がついているやつとか
全体的に丸すぎて、猫っぽくない顔のやつとか

それから、、、、
人と仲良くやっているからだろう多くの猫は、太っていて、そして、大きかった
びっくりするほど、大きかった


トルコへ 再びイスタンブール


飛んでイスタンブール
その続きが、分からない
それに、この曲がどんな歌詞なのかもしらない

でも、確かに、イスタンブールへ飛んでいってしまいたい
そんな気に、なる

最後の日の朝
もう一度アヤ・ソフィアへ往こうと思っていた
でも、見事に寝坊をする

仕方ない、ホテルの近くにアヤソフィアの分院のようなものがあったので
そこへ往ってみる

お祈りをしている人たちが居て
管理人のおじさんが、低い声でずっと、コーランを唱えている
いい声だった

線路の脇の、小さなモスクだ

一通り見て、出口へ向かう
ドネイションを、と
管理人のおじさんがにこにこして、やってくる
もうわずかなトルコリラしかなかったので
小額を渡すと、苦笑いされた

そう、私は旅行者なのだ

飛んでいって、それからまた、去ってゆくぐらいが


ちょうど、いい具合に魅力的なのかもしれない



トルコへ パムッカレとエーゲ海


白い段々の岩と青い水
色い土と青いガラスを焼いて溶かすと
あんな感じになる

パムッカレは石灰でできた不思議な形状と美しさしか
興味がなかったのだけれど
実はその後ろに
古代ローマの立派な遺跡群があった

強い日差しに反射する白い岩に目をやられながら
ついでにそんな光で見事に焼けた
ビキニ女子達を観察する
ここでもまた、うまく写真を撮ることもできず
パムッカレの白い段々の上を
列のように並んで降りてゆく
米粒のような観光客を眺める

同じようにエーゲ海沿いのクシャダス、という街でも
青くて澄んだ水とぴちぴちの水着姿を、眺める
ここは完全に、トルコ人と欧州人のバカンスの街
浮かれた人々が朝からたっぷり身体を焼き
眠り、食べ、眠り、遊ぶ

ここでは眺めてばかり居てもつまらないので
たっぷり私も、泳ぐ
波はおだやかで、おだやか
心なしか塩気が強い気がした

それから、海岸でぼんやりする

小さな堤防の端のベンチに座っていると
片腕のないおじさんが、堤防に建つモニュメントの足元の日陰に座る
観光客が写真を写そうとすると、立ち上がって、フレームから外れる
そして、また戻ってくる
きっと毎日、来ているのだろう



夏場だけ、きっと浮かれてしまう土地なのだろう

ここで、世にもおいしい食べ物に、出会う
ごはん詰めのムール貝
ムール貝を茹で、口が開いたところにスパイス入りの米を入れ
もう一度口を閉じて煮ている、のだと思う

レモンをたっぷり搾って、いただく
ぺろり、といただく
いくつでも、入る
なんて素敵な国なんだろう、とあらためて、思う


トルコへ コンヤの街


コンヤはカッパドキアから2時間半ぐらい西に往った
やはり中部の街

メブラーナ教団の教祖
メブラーナの廟があることで有名な土地だ
他の都市に比べてイスラム色が強い
ラマダン中で夏休みということもあって
多くのムスリムがメブラーナの廟を訪ねる

ヒジャーブやアバーエ率も一気に高くなる
ついでにアジア人に対して無礼な若者も出てくる
仕方ない、どこかヨルダンに似ているような気がした

メブラーナの霊廟にはたくさんの墓と贅を尽くした装飾と
古いコーランやメブラーナ著作の本がある

そして、預言者ムハンマドの髭の入った箱、というのも、あった

廟を訪れたムスリムたちは
その箱が入ったガラスのケースの周りで、祈る
ガラスの下方の四隅に、小さな穴が開いていて
そこからもれる空気を、大切に吸っていた


休憩をしようと
公園の一角のオープンカフェ
通りに近い端の席に座ったら
おばちゃんが寄って来て、一緒になぜか、座ってくる

充分に、あやしい
なにせ、そこら辺のストリートチルドレンと仲良しそうだから

でも、言葉もほとんど分からないから
何となく座ったまま
娘に電話をするんだ、と携帯を取り出すおばさんの様子を見ていた
一緒に食事往こう、と云いだす
そして、こちらがおごってくれ、とも

やっぱりそういうことかぁ、、、
「歩き方」の巻末のトルコ語ページを開いて
何とか失礼にならないよう、お断りをする

何度かのアプローチと、何度かのお断り

残念だわ
と、云ったのかもしれない
でも、さして残念そうでもなくて
運が良ければおごってもらおう、というような

適当さが、少し愉快だった



トルコへ カッパドキアなど

カッパドキアはトルコ・アナトリア中部にある

あの、写真で見たことのある、不思議な形
てっきりあの不思議な形のすべてに
住居跡があるのかと思っていたら
違っていた
鳩の家が、多いのだ

伝書鳩代わりにしたり、卵を食べたり
それから卵の殻をフレスコ画の材料にしたりしたらしい

とにかく、そこら中に鳩が居る


そして、そこら中に不思議な形の岩がある
それから、地下都市も、ある

冬場は−23度まで下がる、というこの地方も
岩の中では16度前後
夏場も岩の中に入ると
ぐっと温度が下がる
湿気も手伝って、ひんやりする

キリスト教徒が隠れ住んでいた穴も多く
岩の中の教会が博物館になっている地域もある
黒い線で輪郭が描かれた
どちらかというと朴訥な絵が多かった
色の状態がよく、とにかく壁の上から下まで
絵と模様で埋め尽くされているのは
どことなく、モスクに近いものがあった

気球にも乗った
その日78個もの気球が上がっていた、というカッパドキア上空の景色は
現実離れしていた

気球の速度は、おだやかだ
ただ、おだやかに進む気球を操縦するのは
随分と難しいようで
きびきびと操縦をこなす操縦士の動きは厳しかった

気球がたくさん浮かんでいるのも不思議
その下の角のばかりの岩の景色も不思議

つまるところ、摩訶不思議だった


余談
マスのフライを夕食にいただく



ごく普通のレストランのごく普通のメニュー
これが、臭くなくて、おいしかった
魚に飢えているので、きれいにいただく
骨は、黒と茶色がヘンテコに混ざった
かわいくない柄の猫に、あげた

トルコへ アヤ・ソフィア


アヤ・ソフィアを一度でいいから見てみたい

中学の美術の時間
そこがどれほど美しいところか
切々と話す先生の声とスライドに
擦り込みされた



遠目からのスライドには
つんつんと尖った塔が何本も建ち
丸い天蓋が見える
この中に、あの不思議な金色の世界が広がっているのだ

イスタンブールのモスクの形は
大小さまざまだが
おしなべて4本のミナレットが立ち
いくつもの天蓋が重なるように乗っている

アヤ・ソフィアもまた
大きさの異なる天蓋が折り重なるように続いている
だから、中から天井を見上げると
天蓋のふちの円形と、ろうそくの台の円形と
支柱のアーチと、模様の円が
どの角度から見ても
不思議なバランスで空間を構成している

たくさんの電球と外からの光
それからふんだんにつかわれた金の装飾で
鈍く光る

果てしない美しさへの密やかな執着
もっとも、時間が経ってしまって色が褪せてしまったから
密やかに見えるだけで
できた当初は
そこら中が輝きに満ちた
神々しい空間だったのだろう

教会からモスクに代わり
違うはずの文化がそれぞれに呼応し合いながら
違うようで同じような、神への真摯な気持ちを
形にしている


中学の美術で初めに習ったこと

美術とは、祈りだ、と




トルコへ イスタンブールから

ヨルダン脱出

夏休みを利用して任国外旅行へでかける
といっても、トルコかギリシャしか、往けない
何だかわからないが、治安や対外交の問題で
決められているのだ

財布と相談の末、トルコのみになった

出かける前は、気が重い
元来出不精だし、あまり決まっていない旅行は心配が多くてきらいなのだ
置いてゆく猫のことも気がかりだった

が、往ってみると、すっかり浮かれる






イスタンブールから入った
路面電車、地下鉄に心躍る

そして、何よりも緑がいっぱいだった
大きな木
光る芝生
豊かな花々



それに、道にゴミがほとんどない

何せ、観光客たちにあふれかえった
自由でおしゃれで、きれいなイスタンブール
どこへ往っても、道の先には海が見える
カモメが鳴いている

素敵だ
すっかり、気に入る