2009/07/25

音楽とペンギン


日本で見るようなノート、
例えばcampusだったり、無印のものだったり、というのを
こちらで見つけるのは、いくらか難しい

日本でもそうなのだけど
へんてこな写真や絵が表紙になっていたりする

音楽用のノートが欲しくて本屋へ往った
バイオリンと薔薇の花が組み合わされた
恐ろしくムードたっぷりな絵が表紙になったものと
それから
ペンギンの、ノートがあった
何故、ペンギンなのか

写真の合成の仕方もあんまりなので
思わず、買ってしまう
音楽の単語が書かれている文字の字体もおかしい

ノートを開いてみると
底の1辺だけが
成人雑誌の袋とじのようにくっついていた

何度見ても、云いようもなく気が抜ける

2009/07/18

楽器を持つということ




確かに彫刻が専攻だったけれども
表現、ということを思ったとき
わたしには音楽が本当は、心安い

でも、どの楽器も中途半端で
だからいつまでも飽きないのだけど
いつまでもろくに、ものにならない

それでも、楽器が手元にあったら
そこに、誰か近しい、あまり話さないけれど、
よく互いのことを知っている人が居るようで
安心する

ちょうど、ご近所から借りたギターもある
チェロもある
取り出すのにも、少し心構えがいる
どちらもろくに弾けない

でも、部屋に気配があって
その空気を、気に入っている

でも、練習しなくては・・・


2009/07/07

檸檬


ホーチミンの店先にレモンを見ることは少ない
ほとんど、見ないと云ってもいい
単純に需要がないのだと思う
すてきに酸味の強い柑橘類はたくさんあるからだ

でも、果物屋は美しい
特に、電球に照らされた果物屋
いまだ、珍しさに胸躍るたくさんの果物たちが並んでいる


夜の果物屋の情景を、「檸檬」の中にも見つけて、はっとする
バックパッカー通りで手に入れた戦利品
梶井基次郎を久しぶりに読んだ

もう、何度も読んでいるはずなのに
きっと初めて、と云ってしまうほど
「檸檬」は新鮮だった
話の始まりの心理や状況や、展開が
やっと、しっくりと心の中に染みていく

感情の色と、描写の色がちらちらと煌めいた
濃密な作品だった
この歳で初めて染み入るのも考えもの、なのかもしれないけれど
思いがけず、嬉しかった


2009/07/06

楽器屋へ往く



こちらへ来てから、ずっと楽器屋へ往きたいと思っていた
ここで楽器を始めるのだ、と心に決めていたから

初めて、通過するだけだった3区へ往く
街の様子が、住んでいるところとは全く違っていて
商いの匂いがするところ

初めにピアノがたくさん置いてある店に往って
相場を知る
ベトナム製のアコースティックギターで7500円ぐらい
安い

どうも、楽器屋が続く道もあるということで
そこへ往くことにする
その通りの入り口には早速、ギターを作っている店があった

教えてもらっていた店へ往く
ギターが吊ってあって
バイオリンやコンバスもある

チェロはないかお店の人に訊いてみた時
ちょうどお店の前で大きな車が止まった

降りてきた女の人がチェロを扱っているようだった

話をしていくうちに
どうも、私が近所の音楽学校へ習えないかを訊きにいった時
電話番号を紹介された女性だったことがわかった
とても、偶然のはなし

本当は電話をしたかったのだけど
英語かベトナム語、でしか会話ができないというので
諦めていたところだった

さらに、その女性はこちらの仕事先とも繋がりがあったので
安くしてもらう

ホーチミンも、狭い

もう一度、また往こうと思う
ギターがあると、家で弾きながら唄えて、いい